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AI導入の優先順位の決め方:候補と効果をそろえて比べる

株式会社D-Side公開日:

AI導入の優先順位は、比べる前に、候補と効果の数字をそろえると決めやすくなります。候補は全社の課題から決め、効果は確かめた値と仮定に分けて書きます。

ケース(説明用サンプル)

ある製造業の推進責任者のもとに、3つの部門からAIの活用案が集まりました。

  • 営業部

    提案書の作成

  • 製造部

    検査記録の転記

  • 総務部

    社内からの問い合わせへの回答

削減できる時間の書き方も、その数字を誰に確かめたかも、部門ごとに違います。

どの案から着手するかを、経営会議で説明できずにいます。

比べる前の流れ

比べる前に、候補を決め、効果の数字を分け、施策にする案を決めます。

説明用サンプル(実際の画面ではありません):比べる前の流れ
  1. STEP 1

    候補を決める

    全社の課題から決めます。

  2. STEP 2

    数字を分ける

    確かめた値と仮定に分けます。

  3. STEP 3

    施策にする案を決める

    作業時間を減らす案だけを施策にします。

  4. STEP 4

    点検する

    7つの項目で確かめます。

1.候補は、全社の課題から決める

部門ごとに案を集めると、部門のあいだの待ちや手戻りは、案に挙がりにくくなります。

待ちは、どの部門の作業時間にも入りません。手戻りは、戻された側の作業時間には入りますが、戻った理由は境目にあります。

D-SideのAI変革ロードマップは、AIヒアリングで聞いた全社の業務から課題を洗い出し、業務ごとの改善案を「施策」と呼びます。

AIを業務で活用していない理由(複数回答)
活用する業務がイメージできていない(最多)
63.4%
活用を推進する人材が不足している
40.0%

中小企業庁「2026年版 中小企業白書」(新しいタブで開きます)第2-2-92図(帝国データバンクの調査)。2019年以降に省力化投資に取り組み、AI活用に取り組んでいない中小企業3,888事業者が対象です。

2.効果の数字は、確かめた値と仮定に分ける

「月に何時間減る」と書いてあっても、確かめた時間か見込みか、待ち時間を含むかが分からず、案どうしを比べられません。

説明用サンプル(実際の画面ではありません):ロードマップでの、期待効果の表し方

現在の対象工数(月)(確かめた値)×想定削減率(仮定)=削減可能時間(月)

削減可能時間(月)×12か月×時間単価=年間の金額換算

対象工数は、本人が答えた回数と1回に手を動かす時間から出した月の時間で、待ち時間は含みません。想定削減率は、PoCで確かめる仮定です。

  • 数字が欠けているときは、0で埋めず「未算定」と理由を示し、合計には「未算定を除く」と添えます。
  • 金額は、減らせる時間をお金に置き換えた試算です。同じ額の支出が減るわけではありません。
DXの成果指標を「設定している」企業
DXに取り組む企業(1,360社)
23.9%

IPA「DX動向2026」(新しいタブで開きます)(2026年7月30日公開)図表2-14。2025年度の、DXに取り組む企業の値です。AI導入に限った質問ではありません。

3.施策にする案と、課題のまま残す案を分ける

作業時間を減らす案だけを、施策にします。

  • 施策にする案

    今の作業をAIや自動化で置き換える、またはなくして、作業時間を減らす案です。

  • 課題として残す案

    作業を増やすだけの案、品質だけを上げる案、待ち時間だけを縮める案です。

作業時間を減らす案がない課題は、「施策未提案」の課題として一覧に残り、優先度(高・中・低)を付けられます。

施策は作業時間で比べられます。施策にならない課題も、一覧から消えません。

4.施策を比べる前に確かめる7つの項目

「はい」と答えられない項目は、比べる前にそろえます。

確認の項目(7つ)

  • 比べる候補に、部門をまたぐ業務の課題が入っていますか。
  • 効果の数字は、どの業務のどの作業の数字で、何人分の答えが入っているかを言えますか。
  • 回数と、1回に手を動かす時間は、本人が答えた値ですか。答えのない数字は、0で埋めず「未算定」と書いていますか。
  • 待ち時間を、作業時間と分けて書いていますか。
  • 想定削減率と、換算に使った単価は、仮定として書き添えてありますか。
  • 2つの施策が同じ作業を減らしていないかを、確かめてありますか。
  • 施策にならない課題を、課題として残してありますか。

選んだ理由を、経営会議で説明できる形にする

選んだ理由を次の4点で言えると、経営会議で説明しやすくなります。

  • 経営の最優先事項への貢献
  • 効果の内訳(対象の工数と想定削減率)
  • 今の流れと施策後の流れ
  • 最初のPoCで確かめること(対象、検証の進め方、成功の基準、対象外)

D-Sideのロードマップでは、施策ごとに、この4点を画面に表します。

会議での言い方の例

この施策は、最優先事項の○○に、△△の作業時間を減らして寄与します。対象の工数は本人が答えた値、想定削減率はPoCで確かめる仮定です。

ロードマップで判断できるようになること

ロードマップを使うと、取り組む順番と時期、依頼する内容、投資の目安を判断できます。

  • 取り組む順番と時期

    施策の優先順位を、診断の中で貴社と一緒に決められます。取り組む時期の目安は、D-Sideが提案します。

  • 依頼する内容

    社内チームや開発会社に、何を依頼するかを決められます。推進する人材が足りない場合も、依頼する範囲をはっきりさせてから相談できます。

  • 投資の目安(ROI)

    年間の金額換算を、導入費や運用費と比べて、投資を判断する目安にできます。

診断のみのご相談も可能です。D-SideによるPoC・実装支援が必要な場合は、提供範囲・開始時期を個別にご相談のうえ決定します。進め方は、サービスのページで説明しています。

まとめ

  • 候補の出どころと効果の数字の確かさをそろえると、どの施策から始めるかを判断できます。
  • 作業時間を減らす案だけを施策にすると、施策どうしを作業時間で比べられます。
  • ロードマップを使うと、取り組む時期、依頼する内容、投資の目安を判断できます。

関連ページ

出典

  • 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第2部第2章第2節 第2-2-92図(帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」。2019年以降に省力化投資に「取り組んだ」と回答した事業者のうち、AI活用に「取り組んでいない」と回答した事業者への設問。複数回答)。白書(HTML版)(新しいタブで開きます)
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」(2026年7月30日公開)図表2-14(2025年度。日本標準産業分類の19業種の企業の経営層またはICT関連事業部門への、2026年4月中旬〜6月中旬の調査。DXに取り組む企業が対象)。本文(PDF)(新しいタブで開きます)

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