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AI導入の優先順位の決め方:候補と効果をそろえて比べる
AI導入の優先順位は、比べる前に、候補と効果の数字をそろえると決めやすくなります。候補は全社の課題から決め、効果は確かめた値と仮定に分けて書きます。
ケース(説明用サンプル)
ある製造業の推進責任者のもとに、3つの部門からAIの活用案が集まりました。
営業部
提案書の作成
製造部
検査記録の転記
総務部
社内からの問い合わせへの回答
削減できる時間の書き方も、その数字を誰に確かめたかも、部門ごとに違います。
どの案から着手するかを、経営会議で説明できずにいます。
比べる前の流れ
比べる前に、候補を決め、効果の数字を分け、施策にする案を決めます。
STEP 1
候補を決める
全社の課題から決めます。
STEP 2
数字を分ける
確かめた値と仮定に分けます。
STEP 3
施策にする案を決める
作業時間を減らす案だけを施策にします。
STEP 4
点検する
7つの項目で確かめます。
1.候補は、全社の課題から決める
部門ごとに案を集めると、部門のあいだの待ちや手戻りは、案に挙がりにくくなります。
待ちは、どの部門の作業時間にも入りません。手戻りは、戻された側の作業時間には入りますが、戻った理由は境目にあります。
D-SideのAI変革ロードマップは、AIヒアリングで聞いた全社の業務から課題を洗い出し、業務ごとの改善案を「施策」と呼びます。
- 63.4%
- 40.0%
2.効果の数字は、確かめた値と仮定に分ける
「月に何時間減る」と書いてあっても、確かめた時間か見込みか、待ち時間を含むかが分からず、案どうしを比べられません。
現在の対象工数(月)×想定削減率=削減可能時間(月)
削減可能時間(月)×12か月×時間単価=年間の金額換算
対象工数は、本人が答えた回数と1回に手を動かす時間から出した月の時間で、待ち時間は含みません。想定削減率は、PoCで確かめる仮定です。
- 数字が欠けているときは、0で埋めず「未算定」と理由を示し、合計には「未算定を除く」と添えます。
- 金額は、減らせる時間をお金に置き換えた試算です。同じ額の支出が減るわけではありません。
- 23.9%
3.施策にする案と、課題のまま残す案を分ける
作業時間を減らす案だけを、施策にします。
施策にする案
今の作業をAIや自動化で置き換える、またはなくして、作業時間を減らす案です。
課題として残す案
作業を増やすだけの案、品質だけを上げる案、待ち時間だけを縮める案です。
作業時間を減らす案がない課題は、「施策未提案」の課題として一覧に残り、優先度(高・中・低)を付けられます。
施策は作業時間で比べられます。施策にならない課題も、一覧から消えません。
4.施策を比べる前に確かめる7つの項目
「はい」と答えられない項目は、比べる前にそろえます。
確認の項目(7つ)
- 比べる候補に、部門をまたぐ業務の課題が入っていますか。
- 効果の数字は、どの業務のどの作業の数字で、何人分の答えが入っているかを言えますか。
- 回数と、1回に手を動かす時間は、本人が答えた値ですか。答えのない数字は、0で埋めず「未算定」と書いていますか。
- 待ち時間を、作業時間と分けて書いていますか。
- 想定削減率と、換算に使った単価は、仮定として書き添えてありますか。
- 2つの施策が同じ作業を減らしていないかを、確かめてありますか。
- 施策にならない課題を、課題として残してありますか。
選んだ理由を、経営会議で説明できる形にする
選んだ理由を次の4点で言えると、経営会議で説明しやすくなります。
- 経営の最優先事項への貢献
- 効果の内訳(対象の工数と想定削減率)
- 今の流れと施策後の流れ
- 最初のPoCで確かめること(対象、検証の進め方、成功の基準、対象外)
D-Sideのロードマップでは、施策ごとに、この4点を画面に表します。
この施策は、最優先事項の○○に、△△の作業時間を減らして寄与します。対象の工数は本人が答えた値、想定削減率はPoCで確かめる仮定です。
ロードマップで判断できるようになること
ロードマップを使うと、取り組む順番と時期、依頼する内容、投資の目安を判断できます。
取り組む順番と時期
施策の優先順位を、診断の中で貴社と一緒に決められます。取り組む時期の目安は、D-Sideが提案します。
依頼する内容
社内チームや開発会社に、何を依頼するかを決められます。推進する人材が足りない場合も、依頼する範囲をはっきりさせてから相談できます。
投資の目安(ROI)
年間の金額換算を、導入費や運用費と比べて、投資を判断する目安にできます。
診断のみのご相談も可能です。D-SideによるPoC・実装支援が必要な場合は、提供範囲・開始時期を個別にご相談のうえ決定します。進め方は、サービスのページで説明しています。
まとめ
- 候補の出どころと効果の数字の確かさをそろえると、どの施策から始めるかを判断できます。
- 作業時間を減らす案だけを施策にすると、施策どうしを作業時間で比べられます。
- ロードマップを使うと、取り組む時期、依頼する内容、投資の目安を判断できます。
関連ページ
- サービス:診断の進め方と、受け取る成果物
- 業務可視化:部門間の待ちと手戻りを比べやすくする
出典
- 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第2部第2章第2節 第2-2-92図(帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」。2019年以降に省力化投資に「取り組んだ」と回答した事業者のうち、AI活用に「取り組んでいない」と回答した事業者への設問。複数回答)。白書(HTML版)(新しいタブで開きます)
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」(2026年7月30日公開)図表2-14(2025年度。日本標準産業分類の19業種の企業の経営層またはICT関連事業部門への、2026年4月中旬〜6月中旬の調査。DXに取り組む企業が対象)。本文(PDF)(新しいタブで開きます)
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